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韓国語の勉強を兼ねています K-POPアイドルを中心とした音楽や芸能・映画に関する分析やレビューをぶん投げます

小松・アフロディーテ・菜奈

「一目惚れ、…しました」

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 2016年冬に公開された映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」は、福士蒼汰演じる主人公のそんなセリフをきっかけに、ストーリーが動き出す。

彼の相手役である福寿愛美を演じた小松菜奈は、まさにその言葉を他者から受け取るに相応しい、驚異的な魅力を持った女優だ。

 

私が彼女を初めて知ったのは、今からおよそ4年前のドコモのdビデオ(現dTV)のCM。

E-girls石井杏奈演じる素朴な女子高生を翻弄する、謎の美少女転校生。

そのミステリアスな笑顔と掴み所のない言動に、不覚にもどんどん魅了されていくー。

当時まだ名の知れていなかったはずの彼女の圧倒的な存在感は、今でもはっきりと覚えている。

「悪魔や…」

CM中で石井杏奈が、自分の好きだった相手を横取りした小松菜奈に対してこぼす言葉。

これは、後に彼女の代表作となる映画「渇き。」のヒロインを形容する単語としても、そのまま用いられている。

「…悪魔よ」

「この地上でただひとつ、美しい生き物」

「なんでみんな加奈子に夢中になるの!」

嫌われ松子の一生」「パコと魔法の絵本」「告白」など、名だたる作品を世に輩出してきた鬼才・中島哲也監督の衝撃作。

第3回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作である深町秋生の小説「果てしなき渇き」が題材とされている。

この映画こそ、小松菜奈の魅力と知名度を一気に押し上げたきっかけであり、そして諸悪の根源でもあるのだ。

撮影初日から監督に「ヘタクソ!」と怒鳴られたり、共演したキャストのうち、男女問わず6人を相手にキスシーンをさせられたりー。

演技初心者には到底一筋縄ではいかない数々の困難を乗り越え、彼女が劇場で見せた藤島加奈子としての姿。

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それは、狂気と鮮血迸る醜悪な人間模様の中、たった一輪咲いた白百合のように清く気高くー

そして、何より美しいものだった。

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もちろん、例えその中身がどれほどおぞましく、狂っていようともー。

芸能界で話題になる若手俳優や女優というのは、そのルックスの完成度はもちろん、彼らが演じたキャラクターのハマり具合も人気の火付け役となり得る。

そういう意味では、これほど小松菜奈にハマった役はなかっただろう。

しかし彼女の人気は、決してこの映画だけに留まらなかった。

(↓2014年公開「近キョリ恋愛」枢木ゆに 役)

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(↓2015年公開「バクマン。亜豆美保 役)

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(↓2016年公開「黒崎くんの言いなりになんてならない」赤羽由宇 役)

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(↓2017年公開「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」山岸由花子 役)

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 キャッチーな人気漫画の実写化はもちろん、ピュアなラブロマンスから過激なバイオレンスホラー、ディープな歴史モノまでー

(↓2016年公開「溺れるナイフ」望月夏芽 役)

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(↓2016年公開「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」福寿愛美 役)

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(↓2016年公開「ディストラクション・ベイビーズ」那奈 役)

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(↓2017年公開「沈黙 -サイレンス-」モニカ 役)

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彼女が息を吹き込んだキャラクターたちからはどれも、これまでに見たことがない独特のオーラや色気が溢れ出ているのだ。

 それは日本人離れしたアンニュイでエキゾチックなルックスのせいなのか、女性の割に低めで響きのいい、セクシーな声によるものなのか。

いずれにせよその存在感は異彩を放ち、世間の羨望の眼差しや賞賛の声を常に集め続けている。

 

ところで、今をときめく人気女優ともなると、ついて回る厄介事のキーワードは毎度お決まりの三連打だ。

整形・熱愛・素顔。

大昔の卒アルを引っ張り出しては現在の写真と並べ、騒ぎ立てる非公式のまとめサイトや、絶頂期を狙って突然世間に叩きつけられる白黒の「お泊り写真」ー

そしてソース不明の謎の生命体「業界関係者」によって仰々しく語られる、根拠のない「態度悪い」「性格悪い」エピソード。

人気者の足を引っ張ろうとする輩は、いつの時代もここそこに溢れかえっている。

しかし、私が小松菜奈を好きな理由には、彼女がそれらのゴシップを物ともしない、芸能人としてのバイタリティに溢れた女性だったことが挙げられる。

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すでにすべてが完成された中2の頃のデビュー写真が明らかになったり(整形説は無論シロ)、

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 まだ無名だった現役高校生時代から、サッカーの試合中継で映った子が可愛すぎるとネットで話題になったり。

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何より、BIGBANGの大ファンでありながら、

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その数年後には大本命のジヨンと共演を果たしたり。 

この写真の彼女、いつもより表情が乙女チックに見えるのは私だけだろうか。

潤んだ瞳がピンク色に映って見えるのは私だけだろうか。

この記事のインタビューでの彼女のコメントが忘れられない。

憧れの方との撮影でとても緊張しました。G-DRAGONさんが隣にいるのが夢のようで、ご本人にご挨拶した時『夢のようです』と言ったら、『これは夢だよ』と、緊張した私を笑顔にしてくれました。ハタチのお祝いに神様がくれたスペシャルな撮影だと思い、1カット1カット胸に刻み込みながら撮影しました。

「夢みたい」と呟く彼女に「これは夢だよ」と嘯く彼。

なんだこれは。

あまりに尊すぎる。

この2人のやり取りこそまさに夢の世界である。

しかも、ハタチのお祝いに神様がくれた。

その言葉の軽やかな響きに不釣り合いな、豪華すぎる撮影内容もまた格別だ。

神は心底、小松菜奈に惚れているに違いない。

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知っての通り、このあと2人は付き合った(熱愛説は堂々のクロ)。

 K-POPファンの私が特に心揺さぶられたのはやはりココなのだが、この一連の騒動を目の当たりにした時は、本当に驚かされた。

ああ、この子はやっぱり只者じゃないな、と。

人が芸能界を志すきっかけは、多かれ少なかれそこに属する「憧れの誰か」に影響を受けているからだと思う。

しかしデビューした人間のうち、その何人が本当に夢を叶えることができるのだろうか。

あるアイドルを目指してアイドルになった少女。

ある女優と共演したくて俳優になった少年。

芸能人のデビュー秘話としてそんな類のものはざらにあるが、そのうち恋愛にまで発展させられたケースなど、これまで1度も聞いたことがない。

しかも彼女の場合、本来の若手女優にありがちでいかにも週刊記者が容易に嗅ぎつけそうな、共演相手のあの俳優と…などではない。

もちろんこれまで共演してきた男性陣だって錚々たる顔ぶれだ。

山下智久佐藤健神木隆之介中島健人山崎賢人新田真剣佑岡田将生山田孝之伊勢谷友介福士蒼汰菅田将暉柳楽優弥北村匠海・高杉真空・健太郎

女子なら誰もが1度は恋に落ちたことのあるイケメンばかりである。

しかし彼女にとっては、G-DRAGONだったのだ。

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誰もが憧れだけで気安くお近づきになれる相手ではないことは、火を見るよりも明らかで。

どこにでもいるごく普通のファンだった女の子が彼をオトすことができる確率というのは、きっと宝くじが当たるのと同等かそれ以下だろう。

漫画「NANA」の主人公のハチぐらいだ(そういうえば彼女の名前もまたコマツナナではなかったか!)。

 しかし、彼女にはそれが可能だったのである。

ド平民の私としては、その凄まじいスペックの高さに、ただただ拍手を送るしかなかった。

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2016年3月。

サイケデリックな色彩のイラストや、カリスマ性抜群のセルフィーに混ざって、ジヨンが不意に上げた2つの写真。

ご丁寧に#GDNANAのタグまでつけたこの投稿は、今思えば匂わせというよりむしろ、潔いほどの公表である。

そして例の裏垢が流出し、阿鼻叫喚のファンたちには、突如としてこの画像を投下。

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I can’t handle people anymore. (これ以上みんなのことを扱いきれないよ)

さすがのキング・オブ・アジア。

この圧倒的威圧感。

彼のそんな割り切った対応もまた、「煩わしい世間なんか放っておいて、2人だけの閉鎖的な空間でいよう」と遮断したかのように思えて、私はまんまと痺れた。

もちろん熱愛発覚直後は、世界中のジヨンペンが小松菜奈のインスタのコメント欄で大暴れ。

無理もない。

だが汚い言葉を浴びれば浴びるほど、彼女のその「選ばれた女の子」感は、どうしようもなく浮き彫りになっていくように思えた。

彼女は溢れ返る悪質なコメントに、どのように心を痛めたのだろう。

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天使のように儚く涙を流したのか、それともー

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 卑屈に歪ませてもなお美しいその顔で、高らかに嘲笑ったのか。

 それはきっと、〝彼〟のみぞ知る。

 

しかし、いくら神に愛された天下無敵のシンデレラガールとはいえ、世界中の女たちからの強烈なバッシングは、やはり苦痛だったに違いない。

ただし大切なことは、彼女が批判を浴びたのは〝小松菜奈〟だったからではなく、ジヨンの女だったから、ということだ。

その相手がもし広瀬すずや土屋太鳳だったら、当然その2人がバッシングを受けていただろう。

つまり、彼女が彼女であるということに対して何かを悲観的に捉えなければならないことは、この先いつまでも、どこにだってない。

ということだけは、彼女をこれからも崇拝していく上で、ぜひ心に留めておきたいポイントである(私が)。

 

 ちなみに彼女のインスタ。

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これは2017年10月現在のプロフィール画面。

公式マークが付いていない上に、スラッシュで区切られたプロフィール文がびっくりするぐらい没個性的過ぎているので、ぜひ見てほしい。

カメラ、古着、旅行。

同世代の若者なら、その8割以上の人がこの3つのうちのどれかを好んでいると答えるに違いない。

なんてこった…

こんな有り触れた単語でもってカテゴライズするには、あまりに大きすぎる存在だというのに。

さっきも似たようなことを言ったが、彼女がこうやって現実世界に溶け込もうとすればするほど、その非凡さが余計眩しく輝いて、浮いて見えるのだ。

 だが皮肉なことに、そのアンバランスさでさえも自然な魅力に変えてしまうのが彼女である。

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高校指定のなんてことない赤ジャージを着て友達と撮った写真でも、

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クラスメイトと仲良く学祭の準備をする姿でも。

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 家のリビングで1人、お気に入りの曲を聴いて踊り狂うところも(LINE MUSIC)、

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 世界のジョン・レノンオノ・ヨーコしか似合わなそうな形の眼鏡を、まるで最新トレンドのトップアイテムのように掛けこなすところも(zoff)。

パーツがどうのとかスタイルがどうのとかいう話ではなく、もう存在がアート。

 21世紀に産まれ落ちた、愛と美と性を司る神話の女神なのである。